# | jpn | zht |
---|
1 | ロシア: 福島原子力発電所の災害が原発に関する議論を引き起こす | 俄羅斯:日本核危機帶動核能論辯 |
2 | このポストの原文はグローバル・ボイス2011年東日本大震災特集の一部です。 | 2011年3月11日發生芮氏規模9. |
3 | 2011年3月11日(金)に発生したマグニチュード8.9の地震の後日本で起きている自然災害は現在、ロシアのブログ界で非常に広く話題にされている。 地震とその後の津波の影響の中でも特に心配されるのが福島県の原子力発電所だ。 | 0強震之後,日本出現種種天災,目前這是俄羅斯部落格圈相當關注的話題,在地震與海嘯接連衝擊後,其中一大隱憂即為福島核電廠是否可能發生嚴重熔融危機。 |
4 | 技術者たちが大規模なメルトダウンを食い止められたのかはいまだに不透明である。 日本の沿岸都市を破壊しつくした津波の衝撃的な映像を共有したり、日本にいるツイッターユーザーのつぶやきに耳を傾けるほかに、福島の事故が次々に起こる中、ロシアのブロガーは原子力発電の問題について議論を交わしている。 | 除了轉寄日本沿海地區因地震引發海嘯的驚人影片,以及關心來自日本的Twitter訊息,俄羅斯部落客在關切福島最新發展之際,也在討論核能問題。 |
5 | 地震により損傷をうけた福島第一原子力発電所 画像/ www.digitalglobe.com. ソビエトの核の遺産 | 受地震與海嘯所傷的日本福島第一核電廠,照片來自www.digitalglobe.com |
6 | ロシアの政治的前身であるソビエト連邦は、1954年に世界で初めて原子炉を開発した国だった。 | 蘇聯時代遺留的核能陰影 |
7 | 1986年、ソ連は、現ウクライナ領のチェルノブイリで、4千人以上が死亡し33万6千人が移住することとなった人類史上最大の原子爆発とメルトダウン事故を経験した。 1991年のソ連崩壊後、チェルノブイリ事故の遺産は、ロシア、ウクライナ、ベラルーシで共有されることとなった。 | 俄羅斯的前身為蘇聯,於1954年領先全球建立核子反應爐;1986年,蘇聯歷經人類史上最嚴重的核爆與核災,地點位於現今烏克蘭的車諾比(Chernobyl),造成逾4000人死亡、33. |
8 | ベラルーシがもっとも被害を受けたこととなった(領土のおよそ25パーセント)。 | 6萬人撤離。 |
9 | チェルノブイリ事故後、ロシアでの原子力発電所の建設ペースは落ち込んだが、2000年代中頃、政府が国内のエネルギーバランスにおける原子力発電の割合を増やすことを決めた。 | 1991年蘇聯垮台後,俄羅斯、烏克蘭、白俄羅斯共同承擔車諾比核災後果,其中又以白俄羅斯受影響程度最深(約占領土的25%)。 |
10 | 2010年時点ではロシアの全エネルギー生産量のうち17%[ロシア語]を原子力が占めていた。 | 在車諾比事件後,俄羅斯核電廠興建速度減緩,直到2005年前後,政府才決定提高核能在全國能源裡的比重。 |
11 | そして2010年3月、ロシアのウラジミール・プーチン首相がこれを20-30%へ引き上げる意向を表明[ロシア語]している。 | 至2010年,核電占俄國總能源量的17%,總理普廷(Vladimir Putin)亦於2010年3月宣布,要將核能比例提高到20%至30%。 |
12 | 福島事故への反応 | 對福島核危機的反應 |
13 | 福島での事故(タイムラインはこちら)は、まだロシアの原子力政策の核心を変えるには至っていない。 | 雖然福島發生核危機(事件發展記錄),俄國核能政策並無任何改變,普廷最近表示,「我國不會因日本意外而更改核能計畫」。 |
14 | プーチンの最近の声明 [ロシア語]は、「ロシアは、日本での事故を受けて原子力計画を変更することはない」としている。 | 1996年歐洲核污染地圖(銫137),這是車諾比事件十年後的情況,圖片來自chornobyl.in.ua |
15 | 1996年、ヨーロッパの放射線(セシウム137)汚染状況マップ (チェルノブイリ事故後10年経過) Chernobyl.in.ua提供 | 福島核電廠爆炸消息於3月12日傳出後,能源專家兼在野黨政治人物Vladimir Milov寫道: 「核能專家常拿出資料,指稱重大意外的發生機會只有0. |
16 | 福島で2011年3月12日に起きた最初の爆発の後、エネルギー専門家で野党の政治家でもあるウラジーミル・ミロフ(Vladimir Milov)は次のように述べている [ロシア語]: | 0000001,但可能性只是個數值,實際災害頻率總比預估更高,核能或許上百年都安全無虞,只會發生一次事故,可是一次便已足夠,我相信人類在不久的將來,至少會遭遇一次重大核災,也會產生後果。」 |
17 | 以上は二年半前の私の記事からの抜粋である。 | 以上是我在兩年半前寫下的段落。 |
18 | […]記録上、現状原子炉の20%が地震活動地域で稼動している。 | […]而且全球兩成核子反應爐都位於地質活動旺盛區域。 |
19 | […] さて、読んでくれている皆さんには、結論を出してほしい。 特に、すぐに反論してくるであろう原発賛成派の「荒らし」の人々よ、「洞穴に戻るのか」だとか「代替エネルギーは高価」だとかぐたぐた言わないで欲しい。 | […]各位讀者,請決定自己的立場,尤其是支持核能的人士會立刻反應,我希望他們別再說什麼會「回到穴居時代」或「替代能源很昂貴」,穴居生活和替代能源與此毫無關係,天然氣、天然氣、天然氣,全世界有足夠天然氣能供應,並取代占全球能源6%的危險核能。 |
20 | 洞穴(暮らし)と代替エネルギーとはこの件とは全く関係がない。 | Firewind8220反對這種言論: |
21 | 天然ガスがあるじゃないか、ガスだ、もう一度言おう、ガスだ。 | […]我們究竟要數算多少次? |
22 | エネルギー消費を賄い、「平和な原子力」(原子力発電)などという微量で(一次エネルギー源の世界での消費量の6%以下を占める)かつ危険なエネルギー源を代替するに足るガスが世界にはあるのだ。 | 核反應效能比化學反應高出千百倍,核能有益、安全、有前途,若裝有30萬噸的液態氮儲存槽爆 炸,連廣島原子彈事件都望其項背。 |
23 | Firewind8220はこの意見に反対している [ロシア語]: | 在福島核危機之後,柴油發電機將放入更安全、更密封的空間裡。 |
24 | 核反応の効率性が化学反応のそれの数千倍優れていることを、我々は何度計算しなければならないのだろうか。 | 各位要如何安全存放數十萬立方公尺的天然氣?[ |
25 | 原子力発電は採算性があり、安全で、大局観を持っているのである。 30万トンの液体窒素を積んだタンカーが爆発したとすると、ヒロシマの比ではない被害が出るであろう。 | …]除 此之外,若非核電廠發生危機,而是天然氣或石油電廠,各位能想像將發生什麼情況嗎? |
26 | 今日の(福島の)事故を受け、今後緊急ディーゼル発電機はより安全で密閉された箱に封入られるようになるだろう。 | 難道墨西哥灣百萬噸漏油經驗,還沒給各位任何教訓? |
27 | これに対して数十万立方メートルものガスの安全性の確保方法は明確ではないのである。[ | 這種災難會奪走多少人性命? |
28 | …]ところで、原発ではなくガスや石油工場(の災害)だった場合、どれだけの被害が出たか想像できるだろうか。 | 天然氣未必比較簡便或安全,所以請別驚慌,我們應從自己與他人的過錯中學習,核能仍應繼續存在。 |
29 | メキシコ湾原油流出事故(の災害)の例と流出した100万トンのオイルから我々は何か学ばなかったのだろうか。 一体どれだけの数の人がそのような災害で亡くなっただろうか。 | Oleg Kozyrev曾前往車諾比附近遭輻射污染的區域,他認為: |
30 | ガスに関しては石油に比べ単純でもないし、安全でもない。 だから、パニックを起こさないで、自らと他者の失敗から学ぶべきである。 | 日本這個國家不能放棄核能,但最近事件證明,核電廠帶來的危險幾乎與海嘯或地震相當,若日本此次能度過這個難關,解決方式或許也將幫助全人類。 |
31 | 原子力発電はやはり存在すべきなのだ。 チェルノブイリに近い放射線汚染地区を訪れたこともあるOleg Kozyrev氏はこう書いている: | 我並不反對核能,但社會不能再漠視這種能源造成的威脅,請各位自問一個簡單問題,你我對俄國核電廠安全是否放心? |
32 | 私は、原子力に反対しているわけではない。 | 我重申,這與俄國核能專家怎麼說無關,而是涉及真實情形。 |
33 | しかし同時に、このようなエネルギー源の持つ危険性に目を閉じることはもはや不可能だと考えている。 | Bquark留言: |
34 | 自身に簡単な質問を投げてみてほしい:我々はロシアの原発について、どれくらい安全だと感じているのだろうか? | 能源需求這麼高,要如何避免使用核電廠? |
35 | 繰り返しとなるが、私はロシアの原子力の専門家の主張ではなく、現実そのものについて言及しているのである。 Bquarkは次のようにコメントしている: | 若放棄核電,但用電量不變,勢必要提高燃煤及水力電廠比重,這會導致嚴重後果(而且目前已經很糟)。 |
36 | 問題なのは、エネルギー源の種類ではなく、消費量である。 | 問題關鍵在於用電量,而非能源種類。 |
37 | また、全ての原発がチェルノブイリになる可能性がある、と大多数が考えていることも問題だ。 | 此外,許多人都假設每座核電廠都可能成為車諾比第二,但今昔之間沒有不同嗎? |
38 | だが、状況はそれぞれ異なるのではないか。 | 沸水式反應爐的爆炸威力不可能與車諾比相當。 |
39 | 沸騰水型原子炉(BWR)は、[黒鉛冷却材を使った]チェルノブイリのように爆発するようなことはない。 | |
40 | 最後に、著名なフォトブロガーでグリーンピースの活動家であるIgor Podgorny氏は、別の観点から問題提起[ロシア語]している。 地震・津波の多い太平洋沿岸地帯に水上原子力発電所を建設するロシアの計画についてである(第一弾は、2010年7月に完成している)。 | 知名攝影部落客兼「綠色和平組織」成員Igor Podgorny提到另一種觀點,俄羅斯打算在容易發生地震與海嘯的太平洋沿岸地區,興建浮動核電廠(第一座已於2010年7月完工),此外,浮動核電廠預定地為堪察加地區(Kamchatka),當地其實最適合利用地熱發電。 |
41 | 同時期に水上原子力発電所の建設が予定されているカムチャツカ地域は、実は地熱発電に最適な環境を誇る地域なのだ。 | 監控情況 |
42 | 状況の監視 今,ロシア人は世界のその他の地域と共に、福島の原発の状況を注意深く見守っている。 | 俄國和世界各地民眾都在密切注意福島核電廠動態,相較於身在首都莫斯科的部落客,俄國東部民眾更關心是否有輻射落塵,以及落塵會飄向何方。 |
43 | モスクワに住むブロガーとは異なり、ロシアの東側に住んでいる人たちは「放射性物質を降らせる雲」というものがあるのか、あるとすればロシアにまで届くのか、という点に主に注目している。 | |
44 | 日本に近接する都市の中で最大となるウラジオストクのインターネット利用者たちは、福島の爆発に関するひとつの記事に2000近くのコメント [ロシア語]を寄せている。 また、ウラジオストクの異なるエリアから、個人向けの放射線量測定器で収集した放射線データがウェブ上に投稿されている。 | 海參崴(Vladivostok)是俄國最靠近日本的大城市,在有關福島核電廠的一篇文章中,當地民眾寫下近2000則留言,張貼人們在市區各處自行偵測放射量的數據;Kamchatka及Sakhalin等網路論壇上亦有類似活動,目前輻射值一切正常。 |
45 | カムチャツカやサハリンのオンラインフォーラムのメンバーも同様だ。 当面のところ、放射線レベルは通常のままだという見解が共有されている。 | 無論福島核電廠的效應是否將觸及俄國領土,核能仍然是一項重要議題,此事十分複雜,沒有簡易答案,但部落客、記者和科學家還是繼續討論。 |
46 | 福島の影響がロシア領に及ぼうと及ぶまいと、核エネルギーの問題は広く残る。 問題は複雑で簡単な解はない。 | 俄國政府與國會是否也會參與論辯? |
47 | しかし、ブロガーやジャーナリストや科学者らは躍起になって議論に時間を費している。 だがロシア政府と議会はこの議論に加わることに乗り気だろうか? | 校對:Soup |
48 | 当記事は、Takashi Ota、Tomomi Sasaki、Kenichiro Seki 、Hanako Tokita、Hisaho Tsutsumiの共訳となります。 | |